1本からの被害者支援
2011年10月 1日号
犯罪被害者支援活動へ売り上げの一部が寄付される犯罪被害者支援賛助自動販売機が、相模ベンディング(株)とダイドードリンコ(株)の協力で松田自動車学校に設置され、9月23日、記念式典が行われた。
神奈川県では県警察と県、特定非営利活動法人神奈川被害者支援センターが協力し「かながわ犯罪被害者サポートステーション」を設置して、犯罪被害者支援の活動を行っている。同センターの活動は、県からの補助金や寄付金などによって運営されているが、支援件数の増加に伴い、財政的に厳しい運営を強いられているという。
そうした状況の中で今回、松田自動車学校からの提案を受け、2社が協力する形で犯罪被害者支援賛助自動販売機を設置。この自動販売機の売り上げの中から2%が毎月同センターに寄付される。
松田自動車学校の千村憲一社長は「私たちもいつ犯罪の被害者になるかわからない状況の中、支援センターの活動は地域にとって大切なもの。この取り組みが広がれば大きな力になるはず。地域の安全の向上に関係する事を生業にしている立場からも協力したい」と話している。
相模ベンディング(株)の加藤哲也代表取締役は「地域の飲料水販売業者としてできる支援活動だと思い、協力させて頂きました。少しでも犯罪被害者の方の力になれば」と話す。
また式典終了後には、交通事故被害者遺族である高森節子氏による講演会「命のメッセージ」も開かれた。
湯河原町商工会(杉山文男会長)の1階に10月8日、AEDを内蔵した自動販売機が登場した。緊急時に自販機下部のフタを開けるとブザーとともに電源が入り、音声ガイダンスに従うだけで操作できる仕組みだ。同会が「不特定多数の人が利用する準公共的な施設でAEDが必要」と導入したもので、会館が湯河原駅ロータリーや長い階段の隣という事もあり注目されている。
企業の社会貢献として
商工会と設置契約を結んだ相模ベンディング(株)(大井町)によるとAED付き販売機は町内初だという。同社ではこれまでに災害時に役立つ電光掲示板付き販売機や自家発電可能な自販機などを扱っており、AED設置時のスペース不足やコストに着目、企業の「社会貢献」としてAEDつき販売機を提案している。
厚生労働省によると、心臓疾患の年間死者は約16万人(平成15年)で、年間2〜3万人が病院外で心停止しているという。